体重を減らしてランナー体型に
マラソンを走るに当たっては、体型をランナー仕様にすることを目指しましょう。
いわゆるランナー体型というものですが、
大まかに言えば、必要な箇所に適切な筋肉がつき、無駄な脂肪がなくスリムな体型のことを言います。
同じスタミナや脚力を持ったランナー同士なら、体重が少ない方が断然有利です。
まぁでも人間なので、たくさん食べて太ってしまうこともあればトレーニングをサボって絞れないこともあるので、そうそう簡単に体型は作れませんよね。
なのでこの記事の内容は理想論になってしまうことをお許しください。
体重が重いとどれだけ不利か
例えば60kgのランナーと70kgのランナーが一緒にマラソンを走った場合、
70kgのランナーは10kg分のダンベルを担いで走っていると考えてください。
全然違いますよね?
実際10kgのダンベルを持って走ると100mくらいしか走れないと思いますが、あくまで例えの話です。
フルマラソンでは、体重1kgの差でタイム差が3分出ると言われています。
よって70kgのランナーは、30分もゴールが遅くなるのです。
(あくまで単純計算の話ですが)
また、体重が軽くなると、最大酸素摂取量の向上も図れるのです。
最大酸素摂取量という言葉はなかなか聞き慣れない言葉なので、なんだそれ?と思われるかと思いますが、最大酸素摂取量とは長距離ランナーの資質を表す指標の1つです。
これは体重1kgにつき、1分間あたりにどれだけ酸素を体内に摂取できるかを表す能力の指標です。
指標を算出するための計算式は難しいため、ここでは詳細は割愛しますが、
同じ心肺機能を持ったランナー同士であれば体重が少ないランナーの方が最大酸素摂取量は大きくなるのです。
ランニングを定期的に行うと、心肺機能は一般的には向上します。
よって、トレーニングをしつつも体重を落とせば、
最大酸素摂取量はどんどん向上させることができるのです。
一石二鳥ですね。
ぜひガンガントレーニングをしましょう!
(そんな簡単にはいかないってな笑)
BMIや体脂肪率を理想に近づける
ここまで体重は落とすほどマラソンには有利と書きましたが、
注意してほしいのは、体重を落とすことに執着しすぎて、必要な筋肉や体脂肪を削ぎ落としても良くないのです。
筋肉は言わずもがなですが、実は意外なことに体脂肪も有酸素運動であるマラソンをする時に必要なエネルギー源になります。
大切なのはバランスであり、身長に合った適切な体重というものも意識しましょう。
適正体重については「BMI(ボディマス指数 : body mass index)」が指標になります。
BMI = 体重(kg) ÷ ( 身長(m) × 身長(m) )
で算出することができ、
例として身長172cmで体重70kgであれば、BMI = 70 ÷ (1.72 × 1.72 ) = 23.7となります。
日本肥満学会では、BMI22を標準体重としており、25以上を肥満、18.5未満を低体重としています。
エリートランナーは18前後がざらにいますが、
一般のランナーはそこまでする必要はないでしょう。
むしろ低体重は怪我のリスクもありますし、エネルギー源である体脂肪もスカスカの可能性もあります。
一般のランナーは、おおよそ19〜21あたりを目指すのが良いでしょう。
BMIが良くわからない、もしくはそんな複雑な計算をしたくないという人は、体脂肪を指標にすると良いです。
エリートランナーの体脂肪率は10%〜15%、または一桁の場合もあります。
しかし、一般ランナーは年齢にもよりますが、男性:15%〜18%、女性:20%〜22%を目指すのがバランス的には良いでしょう。
大切なのはバランス
ここまでランナーが理想とする体型について述べましたが、
大切なことは体のバランスを考えた体型を作ることと、その体型を維持することです。
体のバランスを考えると、食事制限などダイエットで体重を落とすことは止めた方がいいです。
エリートランナーもみんな細いですが、別にダイエットをしているわけではなく、日頃の練習であの体型ができているのです。
できるだけ体を動かして健康的に徐々に体重を落とすことが理想です。
また、食事制限をしてもリバウンドの確率が高く、体型を維持し続けることが難しいです。
それに練習をするたびに体型が違うとフォームを固めるのが難しくなります。
ウェアだって緩くなったりキツくなったりで複数サイズ用意しなければいけなくなりますよね。
練習によって適切な筋肉をつけながら理想の体型を目指していきましょう。
体型を維持する努力
一度理想の体型を手に入れたとしても、そこを維持することはなかなか難しいですよね。
太りやすい体質の人なら尚更です。
大会1ヶ月前に理想的な体重になったことで安心してしまい、当日までに食べすぎて太ってしまった経験を持つ人もいるでしょう。
体型を維持するためには、まずは定期的に体重計にのる習慣をつけましょう。
ちょっとした体の変化でも見逃さないようにするのです。
そして食事制限で太らないようにするのではなく、極力トレーニングをして体脂肪を燃焼させつつ体重をキープしましょう。
トレーニングは大変ですが、ランナー体型でいることに何の損もありません。
大会に出ないとしても、健康的な体になることは間違いないです。
なかなか時間が取れない人もいるかもしれませんが、健康のためや目標を達成させるためにもぜひ頑張ってください。