マラソン完走・自己ベスト更新への道

マラソンに必要なことは運動神経ではありません!練習や万全の準備さえしっかりしていれば誰でもある程度のタイムは出せます!

骨を丈夫に


疲労骨折に注意

マラソンの怪我と言えば、膝周りの関節の痛み(ランナーズニー)やアキレス腱、足裏の痛みなどがよく取り上げられますが、他にも疲労骨折が起こり得ます。
疲労骨折は、運動をする中で同じ箇所に何度も力が加わり続けることで発生しますが、骨を形成する栄養素の不足も原因になります。
骨を形成する栄養素の代表はカルシウムです。これは広く知られていることでしょう。骨を丈夫にするためには、カルシウムを支えるたんぱく質を増やすことが重要ですが、そのたんぱく質はコラーゲンを摂ることで効率的に増やすことができます。
コラーゲンを多く含む食品としては、すっぽんやフカヒレが有名ですが、その他にも鶏の皮、手羽先、豚バラ肉、豚骨ラーメンのスープ、カレイ、エイヒレなど、様々な食品に含まれています。骨の丈夫さに不安を抱えている人は、カルシウムだけではなく、これらの食品を食べて骨を丈夫にしましょう。

マラソンは骨粗鬆症の予防になる

骨粗鬆症という言葉を聞いたことはあるでしょうか?簡単に言えば、骨密度が低下することで転んだりなどちょっとした原因で骨折しやすくなる病気のことを言います。年配の方で、しかも女性に多い病気であり、寝たきりなどの原因にもなりえます。
実はマラソン(ランニング)は、骨粗鬆症の予防になるのです。まずはカルシウムを摂ることが最低限必要になるのですが、そこからさらに運動で骨の周りの筋肉を収縮させることで、骨への沈着率を向上させることができるのです。
ただし、マラソンに限らずどんなスポーツでも同様ですが、カルシウムの摂取が不足した状態で走り続ければ疲労骨折の原因にもなりかねないため、栄養素をしっかり摂った上で運動しましょう。

追い抜きはほどほどに

大会当日のアドレナリンに注意

マラソン大会の当日は、初心者の方が特にそうですがアドレナリンが出てオーバーペースにならないように注意してください。
特にありがちなのが、スタート直後の追い抜きです。スタートした後はしばらくランナーの密集地帯を走り続けることになります。まだ体力が有り余っている時に自分よりペースが遅いランナーがいた場合、横に動いて抜きたくなりますが、そこは極力気持ちを抑えましょう。サブ3を達成するような速いペースで走るランナーは別として、スタート位置が中盤以降のランナーは、密集地帯で何人抜いてもきりがありません。
そして無駄な体力を使うと後半に必ず響いてきます。密集地帯はレース中盤になれば必ずバラけてきます。追い抜きをするよりも、レース前に立てた自分のプランを守ることを優先して走りましょう。

周囲のペースは気にしても仕方がない

マラソンはスタート直後は密集地帯で周囲に多くの人がいる中で走ることになります。一人一人走るペースが異なるため、いきなり速いペースで走るランナーもたくさんいるでしょう。しかし、そこは気にしても仕方がないのです。長丁場のレースの中で目先の順位を気にしても意味がないので、スタート前に立てたプラン通りに走れているかだけ意識しましょう。サブ3を目指すようなランナーであれば順位を意識するものですが、それ以外のランナーは順位は後から付いてくるものと思い、周囲のランナーのことは極力気にしないようにしましょう。

最短コースでゴールを目指す

マラソンを走る時はただ漫然とコースを走るのではなく、コース取りも多少は意識しましょう。大きなカーブで外側を走るなど、非効率な走りをしてはもったいないです。レース序盤は人が密集しているために自由なコース取りができないかもしれませんが、人がバラけてきてからでもコースを意識して走ると良いです。
ただし、追い抜き同様にわざわざ横に動いたりなど、体力を使ってまでコースを取りに行く必要はないです。スタートからゴールまで総合的に見て、最も効率が良いと思う走りを心がけましょう。

ランニングウェア(ボトムス)

ボトムスの選び方

トップスの選び方のページで、ラン二ングウェアの選ぶ基準としては、機能性で選ぶ場合とデザインで選ぶ場合があるということを述べました。
再掲載になりますが、機能性に関しては以下の項目があります。

1,吸水性(吸湿性)
→かいた汗をそのままにせず、吸収して肌触りを快適に保つ性質。

2,速乾性
→吸水した水分をすぐに乾かす性質であり、生地のベタつきを防ぐ。

3,通気性
→ウェアの中に熱をこもらせず、清涼感を感じさせる性質。

4,防臭性
→吸収した汗の臭いを抑える性質。

5,UVカット
→紫外線(UV)を防ぎ、日焼けから肌を守る性質。

ボトムスについても必要な機能については上記の通りです。ただしボトムスの中でもタイツについては、パフォーマンスを向上させるための機能や、疲労を軽減させるための機能も備わってあるものがあります。
詳細は下記に述べますが、トップス以上にボトムスのウェア選びは機能性を意識しましょう。

ボトムスの種類

ボトムスの種類については、大まかに以下の3種類になります。
パンツ(ショートパンツかハーフパンツ)
スカート
タイツ

上述の通り、タイツには機能性が高いものがありますが、気候が暖かければパンツだけで十分です。
気温が低い日はタイツを履き、その上にパンツかスカートを履くスタイルが一般的になってきましたね。タイツは見た目に比べて厚手の生地のため、下半身の防寒対策としては万全です。よってタイツを履けば、パンツやスカートの生地は薄手で動きやすいもので十分です。

練習であれば、寒い日にウィンドブレーカーを着用することもあるかもしれませんが、
ウィンドブレーカーはTシャツなどに比べて走り易さという点では劣ります。また、マラソンは最初は寒くても、走っていると体が温まり、暑さを感じてくるものです。そのような時に防寒に備えた格好では汗をかき、低体温症を引き起こしかねません。コースにものを置いていけないので、途中で脱ぐわけにもいかずに長い距離を我慢しなければいけないのです。
寒い時にはスタート前に袋を被っておくなど対策はあるので、寒い日や雨の日以外にウィンドブレーカーを大会で使用することは極力考えないようにしましょう。

パンツの選び方

パンツの選び方としては、まずは上述した5つの機能性を重視しましょう。特にタイツの上に履く時に重要なのが通気性です。タイツは防寒性が高いため、走っている最中に暑さを感じ、多くの汗をかきます。パンツまで通気性が悪ければ、余計に汗をかき、低体温症になりかねません。しっかり熱を逃がせるパンツを選びましょう。
また、ショートパンツであれば大丈夫ですが、ハーフパンツの場合は丈があまり長すぎないものにしましょう。丈が長ければ脚が動かし難くなり、可動性が下がります。できれば丈の長さは膝上までなることが望ましいです。

スカートの選び方

いわゆるランスカと呼ばれる、最近では女性ランナーの間で多く見るようになったスカートですが、お洒落なものが多いためファッション性がとても高まります。通気性でもパンツより優れ、機能性という意味でも良いでしょう。
ただ、スカートの場合は走っている間にウエスト部分が回って走りにくいこともあります。そうならないように安全ピンでタイツとスカートを止めてしまうか、スカートのウエスト部分をタイツのウエストのゴムに挟めるなどして固定する工夫をしましょう。

タイツの選び方

マラソンのタイツには、コンプレッションタイツとサポートタイツの2種類があります。
それぞれの機能を理解した上で、ご自身に合ったタイツを選びましょう。

最初にコンプレッションタイツについてです。その名の通り、「圧縮」により効果を発揮するタイツで、段階着圧という技術でパフォーマンスを向上させることに繋がっているのです。段階着圧とは、筋肉に圧力を加えて引き締めることで血行を促進させ、酸素の供給を促します。これにより疲労の軽減や回復効果を生み出すことができるのです。
元々重力の影響で下半身は血流が滞りやすい状態になっており、足の筋肉が下半身に滞った血液を心臓に送り出す働きをするのですが、マラソンの疲労でその働きの力が弱くなるのです。結果として段階着圧をしなければ血液循環が悪くなり、疲労が溜まってパフォーマンスが下がるのです。そこでコンプレッションタイツで段階着圧をすることで、血液循環が良くなり、心肺機能の促進やスタミナの向上、疲労回復効果など、パフォーマンスを向上させることができるのです。

次にサポートタイツについてです。
サポートタイツとはその名の通り、走る時に足をサポートしてくれるタイツです。
マラソンで長時間走り続けると、お尻から足裏までかなりの負担がかかります。サポートタイツを履けば、さすがに足裏は難しいですが、お尻からふくらはぎまではサポートしてくれ、負担を軽減してくれるのです。
サポートとは具体的に言えば、テーピングのように足を固定してくれるものと考えてください。元々足を痛めていたり、疲労がある場合はそれを軽減してくれます。また、もう1つ役割があり、姿勢が強制されて足の動きにブレがなくなるため、怪我の防止にも繋がるのです。

マラソンを始めたばかりで完走までに時間がかかるランナーは、足の負荷対策や怪我防止が大切なため、まずはサポートタイツを選ぶことをおすすめします。

どちらのタイツを選ぶにしても、長さは様々でロングタイプのものからショートタイプのものまであります。寒い日にマラソンを走る場合は、防寒対策も兼ねてロングタイプをおすすめします。逆に寒くない日の場合、ロングタイプでは暑すぎて余計な汗をかく原因にもなるため、ショートタイプのタイツが良いでしょう。特に足に不安がなく、寒くない日の場合は必ずしもタイツを履く必要もないかもしれません。その日の気候や足のコンディションに合わせてタイツを選びましょう。

タイツは生地の厚さやウエストのサイズにも要注意です。タイツは厚手のものが多く、試着をせずに購入すると、想像していたよりも厚手の生地で走り難いものだったということが起こり得ます。また、タイツはぴったりしているため、ウエストがきついと下半身全体が窮屈すぎて走りづらさを感じてしまいます。タイツは購入前に必ず試着をしましょう。

マラソン中の空腹感と対策

完走に時間がかかるランナーは空腹に注意

運動をしているとお腹が空くことは想像できないという人もいると思いますが、マラソン中は空腹を感じてしまうことが普通にあります。
特に走っている間中ずっとエネルギーを消費し続けるマラソンではその傾向が強いです。
エネルギーは基本的に食事から摂取しなければいけないものなので、長時間走っていれば空腹になるのも不思議なことはありません。
フルマラソンで言えばサブ4など速く走るランナーは関係ないことかもしれませんが、マラソンを始めたばかりで5時間前後かかるランナーは要注意です。
走っている最中に空腹になると、それでも気力を維持して走らなければいけないことがとにかく辛いです。
マラソンに限らずですが、空腹時に体を動かすことは苦行以外の何物でもないですよね。
特に低血糖症の人は、手など体のどこかの部位が震えたり力が抜けたりなど、走りに大きな影響がでます。
また、血糖値が低ければ、空腹時にエネルギー源となる血中のグルコース(糖分)が減り、減った分を補充するために筋肉が分解されてしまうのです。

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給食所の食事は人数分ないこともある

空腹にならないよう、各マラソン大会では長い距離を走る場合、基本的に給食所が設けられ様々な食料が並べられます。
パンやバナナ、レーズンにラムネなど、大会によってメニューは異なりますが、マラソンに適した食べ物が置かれ十分エネルギーを補充することができます。
イベント色が強いマラソンでは、果物や野菜などが置かれて食事を楽しむことができます。
ただしこの給食所、残念ながら必ずしも全員分の食事が用意されているとも限らないのです。
特に初開催など歴史が浅い大会などにあることですが、最後尾の方を走るようなペースで走っていると、給食所に到着しても飲み物しか残っていないという事態もあり得るのです。
長年続いている大会であれば、運営側も慣れているのでさすがにそういった事態は少ないのですが、あまりタイムに自信のないランナーは給食がなくなる可能性にも備えましょう。
走っている最中でもエネルギー補給ができるものを携帯しておくことをおすすめします。

携帯にオススメの食べ物

携帯しておくものとしておすすめの食べ物としては、エネルギー源として最も大切な炭水化物(糖分)を含むものを挙げたいです。
走りながらということを考えて、手軽に食べれるおにぎりやパン、バナナあたりが良いと思います。
ただしこれらを持参して長い距離を走るということを考えると、多少かさばり邪魔になりますよね。
食べた後にお腹に残ることもあり、胃の負担を気にする人には適していないかもしれません。
携帯のしやすさや胃への負担を考慮すると、チョコレート、飴、ブドウ糖、栄養補充のゼリー、タブレットあたりが良いと思います。
これらは糖分が豊富に含まれているので、エネルギーに変わり走るための力を与えてくれるでしょう。
また、炭水化物の摂取ではありませんが、塩飴もおすすめです。
人の体の体液には、電解質(イオン)が含まれており、これは体を動かすためには絶対に必要な成分です。
汗をかき、水分や塩分が減ると電解質の濃度が下がってしまい、パフォーマンスが下がってしまいます。
塩飴など塩分を摂取すれば、電解質の濃度を回復させることができるので、携帯用に何個か常備しておくと良いでしょう。

太ももの使い方

大腿二頭筋と大腿四頭筋

太の使い方で最も鍵を握る筋肉の部位といえば大腿二頭筋になるでしょう。
ハムストリングという筋肉の部位を聞いたことがあると思いますが、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋の3つを合わせた筋肉の総称であり、太ももの裏側の筋肉になります。その中でも大腿二頭筋は外側に付いた筋肉であり、外側ハムストリングとも呼ばれています。走る競技をする上では最重要筋肉と言われますが、鍛えることが難しい筋肉です。
さて、この大腿二頭筋が何をしているかというと、走る時に脚を後ろに振り出し、前方に進むための力を産み出します。車で例えればアクセルの働きをするため、走る上では絶対に欠かせない筋肉であることがわかるでしょう。
次に大腿四頭筋ですが、こちらは太ももの前側に付いた筋肉です。この筋肉は膝の伸展や股関節を動かす時、そして膝を支えるために重要な役割を果たします。また、この筋肉は前方に進んでいる体の動きを止める筋肉であり、車で例えればブレーキの役割を果たします。
大腿四頭筋は着地の瞬間の衝撃を受け止める役割も果たしており、この筋肉がなければ走り出してから止まることも着地すらもできないため、大腿四頭筋も走る上では必ず必要な筋肉です。
アクセルの役割をする筋肉とブレーキの役割をする筋肉、スピードを上げて走るという点だけに絞った場合にどちらが重要かといいますと、当然アクセルの役割をする筋肉だとわかりますね。
よって太ももの裏側の筋肉である大腿二頭筋を使うことを意識しましょう。前側の筋肉も膝や股関節を動かすために働くため、使う場面はたくさんあるのですが、極力は力を弛めてリラックスさせ、前に進む力は後ろの筋肉に任せましょう。

効率の良い脚の運びを

太もも裏側の筋肉(大腿二頭筋)を使う際、着地の時に力を入れるのではなく、着地をした脚が自然と前に出てくるように反動を意識すると良いです。
太ももで反動と言われてもピンと来ない方は、実践してもらえれば理解できると思うのですが、着地した時にただ脚を着けるのではなく、太ももで蹴り上げる感覚で着地してください。すると脚が自然と前に出てきます。その脚でまた後ろに蹴り上げて、また蹴り上げて…と繰り返していくのです。
この時注意してもらいたい点が3つあります。
まずは足首で蹴り上げないことです。太さを比べてみるとわかりますが、足首は脚全体でも一番細い部位になります。よって疲労が溜まりやすい部位のため、長い距離のマラソンで足首で蹴り上げ続けながら走るのは無理があります。
また、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)は力を入れずにリラックスさせてください。前述しましたように、大腿四頭筋はブレーキの役割を果たすため、この筋肉に力を入れながら走ることはブレーキをかけながら走っているようなものです。特に重心が前屈みで走るランナーはどうしても前の方の筋肉を使ってしまいがちです。頭と姿勢を真っ直ぐにして走りに無駄が生じないように、アクセルを踏み続けるような走りをしましょう。
そしてもう一点は、反動をつけた力で上に跳ね上がらないことです。跳ね上がってしまうと、前に進むために使える力をみすみす逃してしまうことになります。また、着地の時の衝撃も大きくなり、負担が大きくなってしまいます。反動をつけた力は、あくまでも前に進むための推進力として利用しましょう。
以上の点に注意して太ももを使えば、より効率の良い走りができるようになります。太ももは前に脚を出すために力を使うのではなく、後ろに蹴り出すために力を使うことを意識してください。

最も太い筋肉をフル活用

太ももは脚の筋肉の中でも最も太い筋肉です。よって負荷を与えても最も耐えられる筋肉ということになり、この筋肉を使わない手はないのです。マラソンでは着地の瞬間に体重の3倍の負荷がかかると言われており、それが何キロも続いていくのです。
細い足首や膝に負担をかけるとすぐに走るのがきつくなってしまいます。そうならないように、極力負荷は太ももにかけるようにしましょう。

膝の怪我を防ぐ

マラソンをしているランナーの中には、膝の痛みで悩んでいる人も多いと思います。特に長い距離を何度も走り、膝に負荷を与え続けた場合に関節の痛みを発症するケースが多いと思います。
これは膝の弱さというよりも、膝周りの筋肉が弱いことが原因です。膝は周囲を複数の筋肉で囲まれていますが、これらの筋肉は膝の関節を可動させる役割と同時に、膝を支える役割も担っているのです。
太ももをしっかり使い、一番脚に衝撃がかかる着地のタイミングで膝を守ることで怪我を防ぐことができます。膝を守る上では大腿二頭筋も大腿四頭筋も両方大切ですが、着地のタイミングで負荷を和らげることを考えれば、太ももの前側である大腿四頭筋を鍛えることが効果的だとわかります。
基本的に大腿二頭筋に比べて力を弛めておく大腿四頭筋ですが、着地の時は意識的に力を入れずとも膝を守る役割を担うので、しっかり鍛えておきましょう。

姿勢が良くなる

大腿二頭筋を使うことを意識して走ってもらえればわかりますが、太ももの裏側を意識すると自然と姿勢が良くなります。反動を意識して走っているためか、多少腰を前に押し出しながら走っている感覚になり、自然と背中を反ることができるのです。特にいつも前屈みで走っていたランナーは違いに気付きやすいでしょう。どちらかというと、太ももの裏側をしっかり使っていれば、前屈みで走ることの方が難しいです。また、うまく太ももの裏側を使えずに反動を生み出せないランナーは、前屈みで走っていないか確認し、もし前屈みになっていれば、頭を上げて姿勢を真っ直ぐにしてみてください。きっと姿勢を正す前よりも太ももが使えて反動を意識した走りができます。

練習中のフォームの意識は絶対

正しいフォームこそがタイムを伸ばす秘訣

マラソンにはプロのランナーや専門化達が身を持って考え、洗練されてきた理想的なフォームがあります。どんなスポーツでもフォームや型は時間とともに変遷していくものなので、そのフォームもいつかは変わっていくものですが、現状で一番タイムが出ると言われている走りを身につけることが、タイムを伸ばすための大きな秘訣になるでしょう。

悪いフォームで癖をつけてはいけない

反対に間違ったフォームを身に付けてしまうと、タイムの伸ばすという上では効率が良くありません。
しかも、一度フォームを固めてしまうと、別なフォームに変えるまでに時間がかかってしまいます。
我流のフォームで猛練習を積もうと考えているランナーは、正しいフォームを調べてから練習をすることをオススメします。
そして、練習中はとにかく正しいフォームで走ることをひたすら考えてください。スポーツのフォームというものは、そうそう簡単に身に付くものではないので、身に付くまで徹底的に走り込んでください。

無意識に正しいフォームで走れるまで練習を積む

マラソンのフォームは、腕や脚のあらゆる箇所を意識しなければならず、走りながら意識するのはなかなか大変なのです。少しでも忙しい思いをしなくてもいいように、フォームを自分のものにできるまで徹底的に練習し、意識しなくても正しいフォームで走れるようにしておきましょう。
また、フォームによっては使う筋肉の箇所も変わってきます。今まで使っていなかった筋肉を鍛える上でも、走り込みをしっかりしましょう。

ハーフマラソンの制限時間

ハーフマラソンの制限時間について

ウルトラマラソンやフルマラソン同様、ハーフマラソンにも大会ごとに制限時間は設定されます。
大会によっては、制限時間が2時間の場合があり、フルマラソン等と比較すれば少々厳しめの印象があります。
初心者にとっていきなり2時間切りのタイムでゴールするのはなかなかハードルが高いものです。
また、制限時間が設定されているのはゴールだけではなく、各所に関門が設けられている点に関してはフルマラソン等と同様です。
ちなみにハーフマラソンでは制限時間を超えてしまいリタイアした時に、収容バスで回収されない場合があります。
それはハーフマラソンの場合は周回のコースの場合があり、そういった場合はスタート地点からそれほど離れるわけではないため歩いて戻れるからです。

マラソン風景
マラソン風景

平均的な制限時間

制限時間は短い大会で2時間、長めの大会でも3時間くらいが主になります。
ただハーフマラソンは「ベジタブルマラソン」や「スイーツマラソン」などイベント要素が強い大会も多く、そういった場合はもっと制限時間が長く設定されていたりします。
基本的には制限時間が短めで、距離が短いためにフルマラソンなどに比べてハイペースの展開になるため、フルマラソン完走経験者といえども気軽な気持ちでいると危険です。
余裕をぶっこいてあまり練習せずに出場すると痛い目に会います。

自信がなければ制限時間が長めの大会を

制限時間が2時間の大会になると、5kmほどでも歩いてしまうと完走が厳しくなります。
とにかく完走を目指したいというランナーは、まずは制限時間が3時間以上の大会に出ることをおすすめします。
ハーフマラソンは日本全国で多くの大会があり、季節的にもフルマラソンと異なり年中やっています。
制限時間の長い大会を探すこと自体はさほど難しくないはずです。

ハーフマラソンのサブ~

各マラソンでサブ~といった表現で速さの目安を示したり目標を立てたりしますが、ハーフマラソンの場合はサブ1.5、サブ2がよく使われる表現になります。
サブ1はないの?と思われますが、ハーフマラソンの男子の世界記録が58分台であり、1時間以内で完走するということは世界記録に迫ることになります。
よって一般のランナーの中ではサブ1という表現を使われることはないでしょう。
また、前述したようにハーフマラソンは制限時間が2時間で設定されていることがままあります。なので、サブ2.5という制限時間を越えかねない表現を使われることもあまりありません。
マラソン初心者としてはまず、サブ2の2時間以内のゴールか1時間50分以内のゴールを目指すことをおすすめします。

ハーフマラソンはイベント要素が強い大会が多い

制限時間とは関係ない話題ですが、フルマラソンと比較し、前述したようにハーフマラソンではイベント要素が強い大会が多いです。
「ベジタブルマラソン」や「スイーツマラソン」に加えて、例えば仮装することがメインの大会や、森や観光地など普段行かない場所を走るものもあります。
一人で参加するよりは友人や家族などと複数人で参加したいものが多いですね。
フルマラソンは距離が長く敷居が高いように感じられる人にとっては、取っ付きやすい大会と言えるでしょう。

体型の維持

大会前に太るのはデメリット

マラソンの大会前の時期には、体型の変化が起きないように体調管理をしましょう。体重が増えればその分着地の衝撃が大きくなり、筋肉や関節、骨への負荷が増し、疲労が出やすくなります。フルマラソンでは、体重が1kg増えればタイムが3分変わると言われているくらい体重とタイムには関連があります。
練習時はペース配分を考慮しながら、行うと思いますが、本番になってその時の体型と異なれば当日のペース配分が想定通りいかなくなります。
事前に立てたプラン通りに走れるよう体型の維持を図りましょう。

痩せることはメリットがある

上述したように、体重が増えればそれだけタイムは落ちますが、体重が減ればそれだけタイムは上がる計算になります。
マラソンは長時間に渡って脚の筋肉や関節、骨に体重の約3倍の負荷を着地のタイミングでかけているのです。であれば体重が軽ければ軽いほどタイムが上がる計算になりますが、筋肉なども落ちてしまうとそう単純な計算にはなりません。詳しくはBMIの項でも述べますが、体脂肪やBMIを意識した体にすることが大切です。

食事制限の減量はNG

マラソンに限らずですが、食事制限をして無理矢理痩せる減量はNGです。マラソンには必要な栄養素があり、それが不足するとエネルギー源がなくなります。せっかく痩せたにも関わらず実力が発揮できなくなるどころか、怪我の危険性もあります。
減量したいのであれば、基本的にはしっかり食べて運動をすることで減らす方法を取りましょう。
元々極端に太っていた人が大きく体重を落としたい場合には食事制限も仕方がないですが、食事制限は骨密度を落としてしまうため、大会直前の大幅な減量は避け、大会1週間前からはしっかり食事を摂るようにしましょう。

大会では最初から飛ばしすぎないように注意

大会当日のアドレナリン

大会当日は、スタート前にアドレナリンが出がちです。特に大会に出始めの頃は参加者の数に驚き、やる気に満ちあふれてくるでしょう。
ここで注意しなければいけないのは、排出されたアドレナリンをそのまま走るペースに持って行かないことです。マラソン初心者が特に陥りがちなオーバーペースになって後半バテてしまいます。
ここではオーバーペースに陥らないための方法をいくつか記しておきますので、参考になればと思います。

長い距離を走るためのペースを把握しておく

練習の段階や過去の大会記録から、自分が長い距離を走るにはどのようなペースを維持すればよいのか把握しておきましょう。
直近の大会記録がある場合はそれが最も参考になりますね。天候やコースによってペースは変わるものですが、基本的には5kmおきに記録が出ているので、自分がどういったペースで走ればよいのか見えてくるものです。
練習でペースを把握する場合は、できれば本番と同じ距離を走って把握すると、より正確な数字がわかります。とはいえフルマラソンやウルトラマラソンなどは、なかなか同じ距離を練習で走るのはハードです。ただ短い距離のペース配分を把握しても意味がないので、せめて25km~30km以上を走っておきたいところです。最後までバテずに安定した走りをするためには、5kmあたりどれくらいのタイムです走ればよいのか掴めば十分です。

ペースを守ることだけを意識する

自分のペースを把握したら、あとはそれを守ることだけを意識して走りましょう。
前述した通り、大会になるとアドレナリンが出てペースが速くなりがちです。自分の実力以上のスピードを出しても、後半スタミナ切れでバテる可能性が高いです。タイムを見ながら、事前に設定した自分のペース配分に合わせる形で走りましょう。

周囲のペースは気にしない

マラソン大会は人数が多いため、スタートしてからゴールするまで抜きつ抜かれつが延々と続きます。サブスリーのランナーなど、 順位を意識する場合はともかくとして、一般のランナーは目前の順位を意識しても仕方がないので、抜かれようとも全く気にする必要はありません。自分のペースだけを意識すれば良いのです。
また、スタートラインも気をつけましょう。基本的に大会では、事前に申請した予定タイムを元にスタートラインが決められます。
前の方でスタートしたいとの思いから、申請するタイムを自分タイム以上に設定するランナーもいますが、そうするとスタート直後の周囲のペースが思いの外速く、焦りに繋がりかねません。そうならないように自分の実力に合ったタイムを申請しましょう。

ペースメーカー(ペースセッター)に付いて行かない

ある程度大きな大会になると、ペースメーカーというベテランのランナーが風船をつけて目立つように走っています。
ペースメーカーはランナーに今どれくらいのペースで走っているのか教えてくれる存在で、多くのランナーが一緒に付いて走ります。もしペースメーカーのゴール予定タイムが自分のペースと同じであれば付いて走っても良いと思いますが、異なるのであれば付いて行かないようにしましょう。
あくまで自分が事前に設定したタイムの通りに走るのです。無理に自分のペース以上のスピードで走って付いて行っても何も良いことはありません。

ランキングウェア(トップス)

ウェアを選ぶ基準

ランキングウェアの選ぶ基準としては、機能性で選ぶ場合とデザインで選ぶ場合があります。どちらかというとデザインで選ぶ人が多いのではないでしょうか。それはそれで問題ないのですが、できれば「機能性があるウェアの中で、好きなデザインのウェアを選ぶ」選び方が良いです。
そもそも機能性とは何なのか?というところですが、以下の項目が機能性にあたる主要なものになります。

1,吸水性(吸湿性)
→かいた汗をそのままにせず、吸収して肌触りを快適に保つ性質。

2,速乾性
→吸水した水分をすぐに乾かす性質であり、生地のベタつきを防ぐ。

3,通気性
→ウェアの中に熱をこもらせず、清涼感を感じさせる性質。

4,防臭性
→吸収した汗の臭いを抑える性質。

5,UVカット
→紫外線(UV)を防ぎ、日焼けから肌を守る性質。

上記5項目を全て満たしたTシャツを機能性Tシャツと呼ばれることがあり、全て満たしていないと体調面などで不都合なことが起きかねないです。

1~3を満たさないと、汗が残ることで体温が下がり、低体温症になる恐れがあります。

4は汗の臭いを発したまま走るのは、周囲も自分自身も不快になり、走ることへの集中力が無くなります。

5はマラソン後に気付くことかもしれませんが、日焼けは肌に決していいことではありませんし、マラソン後に疲れきってお風呂に入る時にも痛みに見舞われるでしょう。

いずれにせよマラソン中のパフォーマンスに影響を与えることになるので、ウェア選びはしっかりしましょう。

ポリエステルを多く含むシャツを選ぶ

上記の5項目は、多くのランニングウェアに備わっている機能であり、取り分け特別なものではありませんが、生地の中でポリエステルの割合が高いシャツでなければ厳しいです。

Tシャツは主に綿とポリエステルの生地でできていますが、綿の割合が多い素材のものは選ばない方がいいでしょう。

綿(コットン)の生地について

綿は吸水性に優れた素材で、汗をかいてもすぐに吸い取ってくれます。また、通気性もポリエステルより優れているために、熱をこもらせることはありません。しかしながら乾きにくい(速乾性がない)ため、濡れたままの状態で着続けると不快感を長く感じることになりますし、低体温症のリスクも高まります。少なくとも綿100%の素材は運動には向いていません。運動時に着る素材としてはデメリットばかりが見受けられる綿ですが、保温性に優れているというメリットもあります。
ポリエステルに比べて熱を内側に閉じ込めることができるので、気温が低いコンディションでは活躍できる素材でしょう。
よってポリエステルの割合が多いTシャツを選び、吸水性と通気性に優れた綿がいくらか含まれている素材のTシャツを選ぶのも良いです。ただしその際は、速乾性が問題ないレベルにあるのか確かめてから選んでください。ポリエステルが入っていても、割合が低く速乾性がなければ意味がありません。

通常のマラソン用ウェアは、ポリエステルの割合が多いTシャツが多いです。スポーツ用品店などで購入する場合は、それほど意識しなくても良いでしょう。

雨天時や気温が低い日はナイロン素材もおすすめ

ナイロンの生地といえば、ウィンドブレーカーなどがあり、スポーツウェアとしては撥水性に優れています。また、長袖で防寒としても役立つものが多いので、気温が低い日や雨の日などに適しています。
ただし、これらは練習時や気温が耐えられないくらい低い時など、限定的な使用に留めておいた方が良いと思います。ウィンドブレーカーはTシャツなどに比べて走り易さという点では劣ります。また、マラソンは最初は寒くても、走っていると体が温まり、暑さを感じてくるものです。そのような時に防寒に備えた格好では汗をかき、低体温症を引き起こしかねません。コースにものを置いていけないので、途中で脱ぐわけにもいかずに長い距離を我慢しなければいけないのです。
寒い時にはスタート前に袋を被っておくなど対策はあるので、寒い日や雨の日以外にウィンドブレーカーを大会で使用することは極力考えないようにしましょう。

当日の気温に併せたウェアを選ぶ

ウェアは暖かい日用、寒い日用の2パターンを持っておくことをおすすめします。
どちらもポリエステル性のシャツをインナーと併せて1枚か2枚用意しておけばいいですが、暖かい日は半袖を、寒い日は長袖を着れるようにしておきましょう。

大会1週間前~当日朝の食事

食事で体作り

~走るために必要なエネルギーを食事で摂取~
マラソンは長い距離を走ろうとすればするほど体のエネルギーを必要とします。
そしてそのエネルギーは体が勝手に作ってくれるわけではなく、外部から、つまり食事によって摂取するしかないのです。
ただし、食事を摂ればそれが全てマラソンに必要なエネルギーに変換されるわけではありません。
食べ物にはそれぞれ成分があり、エネルギーとして有効に働く成分、エネルギーを効率良く働かせる手助けをする成分、エネルギーにならない成分、…などなど色々あるのです。
マラソンを走る前にエネルギーにならない食べ物ばかりを食べても仕方がありません。
大会などで途中でガス欠になることがないように、大会の1週間前からエネルギーを蓄え、効率良くエネルギーを使える体作りをしましょう。

特にサブ3など高速に走るランナーではなく、走る時間が長くなるランナーほど必要となるエネルギーは増してゆき、食事の効果が結果に現れやすくなります。

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体に必要な栄養素

炭水化物(糖質)

マラソンを走る際にエネルギー源となるものは、肝臓や筋肉に蓄えられるグリコーゲンです。
グリコーゲンは、糖質が分解されることでできたブドウ糖の集合体で、エネルギーとして使用されずに余ったものが筋肉などに蓄積されます。
では糖質は?といいますと、炭水化物から食物繊維を除いたものになります。
簡単に表すと以下の関係性があり、最終的にグリコーゲンを多く得るためには、炭水化物を多く含む必要があることがわかるでしょう。
炭水化物→糖質→ブドウ糖→グリコーゲン
食物繊維以外 分解 集合<炭水化物を含む食品>
白米、パン、麺類、いも、れんこん、にんじん、かぼちゃ、コーンフレークなどがあります。

たんぱく質

マラソンを走ると、長い距離を走れば走るほど体の組織が破壊され、疲労が蓄積されます。
たんぱく質は、そんな破壊された組織の修復を促し、疲労の回復を早めてくれる効果が期待できる栄養素です。
たんぱく質は20種類のアミノ酸により構成されており、筋肉を始めとした体の様々な器官のを構成する最も主要な要素なのです。よって体のある組織が破壊された場合、その組織の成分として最も比重の高いたんぱく質が豊富にあれば、その修復時間が短くなることは自然なことですよね。

まず大会前の練習期間ですが、練習を積んで体中の組織が破壊された状態で大会に出ても良い結果が出るはずがありません。大会当日に疲れがなく、万全の状態で望めるように日頃から意識してたんぱく質を取りましょう。
また、大会当日もたんぱく質が足りないと、長い距離を走っている間、体中の組織が破壊され続ける一方で、体力の維持が難しくなります。走っている間の体力の消耗を軽減できるようにたんぱく質を摂取しておきましょう。蛇足ですがマラソンの次の日が休みであればいいですが、もしも仕事などがある場合はマラソン後はボロボロで大変です。少しでも早くまともな日常に戻れるように努めましょう。

注意点が1点ありまして、たんぱく質を含む食品はアレルギーを発症しやすいものも多いです。体に合わないものは摂取しないように気をつけてください。<たんぱく質を含む食品>
卵、牛肉、魚介類、鶏ささみ、生ハム

スポーツを行う人は、1日体重1kgあたりにたんぱく質を1.2g~2g摂取する必要があります。
65kgの人でいうと78g~130gになりますね。
これは食品だけで摂り続けるのはなかなか難しく、かなりの量の食事になってしまいます。無理せず食事ができるように、プロテインなどのサプリメントを活用しましょう。

たんぱく質は20種類のアミノ酸からできていることを記載しましたが、ここでもう少しアミノ酸について触れておきます。
アミノ酸は必須アミノ酸と非必須アミノ酸から成り、体内で合成されるかどうかの違いがあります。

まず、必須アミノ酸の方ですが、こちらは体内で合成することができないもので、9種類存在します。体内では作られませんが、「必須」という名の通り、毎日必ず食品やサプリメントから摂取しなければいけない栄養素です。
もし、アミノ酸が体内で足りていないと、筋分解といって筋肉を分解してアミノ酸を作り出そうとします。マラソンに限らずですが、運動には筋肉の維持が大切なため、必須アミノ酸はしっかり摂り続けましょう。
9種類の中でも特に、「バリン」、「ロイシン」、「イソロイシン」の3つのアミノ酸をBCAA(分岐鎖アミノ酸)といい、筋肉を構成するアミノ酸の中でも30%~40%占めているのです。よってBCAAは運動に大きな役割を果たす栄養素なので、食品やサプリメントで積極的に摂取するように心がけてください。

マグロ、レバー、プロセスチーズ、豚ロース、鶏むね肉、卵

続いて非必須アミノ酸についてですが、こちらは食事やサプリメントで摂取しなくても、体内で合成される栄養素です。体外から摂取しなくても作り出されはするのですが、非必須アミノ酸もエネルギーの生成に寄与してくれるなど役立つことは多くあります。食品やサプリメントでも摂るようにしましょう。

車エビ、豚ひき肉、マグロ

ビタミンB群

上記で記載した通り、走るためのエネルギー源となる栄養素は糖質が分解されてできるグリコーゲンになります。よって、摂取した糖質をどんどん分解すればそれだけエネルギーが作られます。
ビタミンB群の食品は、そのような糖質の分解を手助けしてくれる栄養素です。もちろん炭水化物を含む食品から糖質を摂取しなければそもそもエネルギーが生成できないので、炭水化物を十分に摂取した上で、効果をより活かせるようにビタミンBをしっかり摂りましょう。
また、ビタミンB群は水溶性のため、体内に蓄えることができません。継続的に摂取するようにしましょう。<ビタミンB群を含む食品>
豚肉、うなぎ、玄米、納豆、たらこ

鉄分

マラソンは数えきれないくらい地面と接触するため、多くの衝撃を受けて血管の赤血球が破壊されます。結果として、貧血になるランナーがいるのです。

赤血球が減ると酸素を体中に送ることができなくなります。しかしながらマラソンは有酸素運動であり、酸素がなければ走るためのエネルギーを生み出すことができません。結果として酸欠に陥ってしまうランナーがいるのです。

破壊された赤血球を修復するためには鉄分が必要となります。マラソン中に倒れてしまうことがないように鉄分を多く摂り、貧血にならないように対策をしましょう。<鉄分を含む食品>
ひじき、パセリ、レバー、貝類、緑黄色野菜
鉄分は吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンCと一緒に摂り、吸収率をアップさせると吸収率を上げられます。
大会前日~当日に緑黄色野菜で摂る場合は、食物繊維を摂りすぎないように注意してください。食物繊維は食べるとガスガス溜まりやすくなり、いつもより腹痛を起こしたりトイレに行く頻度も上がります。マラソン時には摂取を控えたい食品なので、大会直前では緑黄色野菜以外の食品で鉄分を補いましょう。

カーボローディング(グリコーゲンローディング)

マラソンを走るエネルギー源はグリコーゲンであり、グリコーゲンを溜めるために炭水化物を摂る必要があることを上述しましたが、
グリコーゲンを最大限体に貯蔵できるように運動や食事を調節して、高い運動パフォーマンスを発揮する方法として、カーボローディング(グリコーゲンローディング)と呼ばれる方法があります。

昔から行われていた古典的な方法では、1週間前から炭水化物の摂取を控えて一度体のグリコーゲンを枯渇させ、大会直前に一気に高炭水化物の食事に切り替えて効率良くグリコーゲンを溜め込むといった方法でした。炭水化物の摂取を控える期間は運動量は上げて、グリコーゲンを使いきるのです。この方法は確かに効率良くグリコーゲンを溜め込めるというメリットはありますが、疲労が残りやすくなったり体調を崩しやすいなどの欠点がありました。

現在一般的に行われている方法としては、大会前でも炭水化物の摂取制限は行いません。加えて大会の約1週間前から運動量を減らしてグリコーゲンの消費を抑え、3日前から高炭水化物の食事に切り替えるのです。こちらの方が体に掛かる負担が少なく、古典的方法と比べても90%近くのグリコーゲンを蓄積できるために現在推奨されている方法です。

高炭水化物の食事内容としては、1日の総カロリー摂取量のうち、65%~70%を炭水化物で占めるような内容になります。
注意していただきたいのは、あくまで炭水化物の割合を増やすことがカーボローディングであって、食事の量を増やしてはいけません。普段通りの食事の量で、炭水化物のメニューを増やすのです。
大会前に食事の量を増やして太ってしまえば逆効果なので、くれぐれも気をつけてカーボローディングを行いましょう。

ウォーターローディング

マラソン中は多くの汗をかくため、体内の水分が不足しがちです。それにより、パフォーマンスの低下を招き、酷い時には脱水症状に陥ります。
そうならないように、大会の3日前からこまめに水分を取り、体内に水分を蓄えておくウォーターローディングを行いましょう。
大体コップ1杯分を目安に細かく摂取するようにし、1日あたり1リットル~1.5リットルは水を飲むようにしましょう。
汗により排出される水分にはミネラルが多く含まれています。よって、水分の補給にはミネラルウォーターを使用しましょう。
ただし、ミネラル含有量は多過ぎてもミネラルを体内に溜めることができずに排出されてしまいます。また、含有量が少な過ぎても、必要な量を摂取できないために意味がありません。大体硬度が300度くらいのミネラルウォーターを飲むことが推奨されています。
市販のミネラルウォーターで言うと、evian(エビアン)が丁度良い硬度になります。

アミノ酸ローディング

アミノ酸は筋肉の損傷を回復し、疲労回復に寄与する成分ですが、継続摂取することで更に効果を高めることができます。
これをアミノ酸ローディングといいます。
アミノ酸は日常的に摂取することで血中に蓄えておくことができるため、大会の1週間前から継続的に摂取しましょう。
食事からの摂取はもちろんですが、BCAAが配合されたサプリメントなどがおすすめです。
上述しましたが、アミノ酸が足りないと、筋肉を分解してアミノ酸を作り出そうとします。長距離を走るからには筋肉の維持が大切なので、アミノ酸が不足して筋肉が分解されないように注意してください。

大会当日のエネルギー摂取

大会当日の食事は結果を左右させるほど影響が大きいです。今までの練習の成果を十二分に発揮できるよう、考えたメニューを摂りましょう。

朝食

大きなエネルギー補給ができる最後の機会です。炭水化物、たんぱく質、ビタミンB群、鉄分を全て摂りましょう。
とりわけ大事なのは、やはりエネルギーを生み出す炭水化物です。
米、パン、麺類などで、普段食べなれているものを摂るようにしましょう。
食事を摂ってからエネルギーとして働き出すには、消化** 吸収をする必要があります。
時間的には3時間前までには食事を終えておきましょう。

1時間~30分前

完走までに長い時間がかかるランナーは、朝食だけでは途中でエネルギー切れや空腹に見舞われる可能性があります。
この時間帯で胃に負担がかからないバナナやチョコレートなどを食べておくことをおすすめします。
また、アミノ酸などが多くの含まれたサプリメントなどもこの時間に摂取しておくと良いです。単にアミノ酸を摂取できるサプリメントでも良いですが、脂肪を効率良く燃焼させる手助けをしてくれるサプリメントもあるので、この時間帯に摂取しておくのも良いと思います。

スタート直前

この時間帯はさらに胃に負担がかからないものを食べましょう。
スタートの前に最後にエネルギー摂取できる機会なので、完走まで長時間かかることが予想される場合は、お腹が張らない程度のものは摂取しておいた方が良いです。
具体的には固形のブドウ糖や飴が良いです。エネルギー摂取とともに気分転換にもなるので、携帯できるものを何個か所持しておくと良いでしょう。

マラソン中

マラソンは給食地点が何ヵ所もあり、パンやバナナなど、走るために必要なエネルギーを補給できるのですが、走りながらではあまりをものを食べられないという人もいるでしょう。
もしくは食べてお腹が張ってしまう恐れがあるため、給食地点で出されるものは避けたいというランナーもいるかと思います。
そんな時はスタート直前同様に飴やブドウ糖を携帯していつでも食べれるようにしておきましょう。

控えた方がいい食事

マラソンをする上で、エネルギーを摂取するために食べておいた方が良い食品もあれば、大会前~当日は避けた方が良い食品もあります。基本的には食べ慣れているものを食べることが大切ですが、以下のものは注意しましょう。

食物繊維を多く含む食品

野菜や海藻に豊富に含まれており、とても体に良い成分である食物繊維ですが、マラソン直前は避けた方が無難です。
食物繊維は消化が悪く腸内にガスが溜まりやすいため、走っている最中にトイレに行きたくなってしまいます。

食物繊維は、野菜** 果物** 穀物** 海藻** きのこ** 豆類などの植物性食品に多く含まれています。
直前に野菜を摂りたい場合は、トマトやきゅうり等、食物繊維の少ない野菜にしましょう。

脂質を多く含む食品

脂質の多い食品もまた、消化に時間がかかります。体内に脂質が多く残った状態で走ると内臓に負担がかかります。
脂質は揚げ物を始めとし、枝豆、アボガドやもうもろこしなどの野菜にも含まれています。
ただえさえ長い距離を走るので、体への負担を少しでも和らげられるように脂質には気をつけましょう。

生もの

刺身や生牡蠣など、生ものは摂らないように気をつけましょう。食あたりなどを起こしてしまうと走っているどころではありません。
大会直前はしっかり火が通ったものにしましょう。

カフェイン

大会当日はカフェインの摂取を控えましょう。
カフェインは利尿作用を含む成分であり、マラソン中にトイレに行きたくなる恐れがあります。無駄なタイムロスを防ぐためにも、大会当日は飲まない方が無難です。
カフェインはコーヒーや緑茶に含まれています。

食べなれない食品

とにかくマラソン前は食べなれているものを食べるようにすることが大切です。
食べなれていないものを食べて、胃に刺激を与えてしまうと体調不良になってりトイレに行きたくなることがあります。
少しでも安心して大会に望めるようにしましょう。

膝の使い方

膝は正しく使う

マラソンにおいて膝は重要な役割を果たしています。
膝の使い方を誤って覚えてしまうと後々大きな影響が出てしまい、ケガのリスクも高まります。
また、誤った使い方をすると効率の悪い走りにもつながりので、マラソンを始める時は膝の使い方をまずは覚えましょう。

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膝の向きはまっすぐに

膝の使い方でよくある悪い例としては、膝が外側に向いて開いてしまうことです。
これでは膝の力が外側に逃げてしまい、効率良く地面にまで力が伝わりません。
そして膝の外側の筋肉ばかりを使うことになり、靭帯への負荷も高まります。
いわゆるランナー膝と呼ばれる腸脛靭帯炎も膝が外側に向いている場合に発症する確率が上がります。

O脚を改善しよう

O脚の人は膝が外側に向きやすいです。膝が外側を向いている人は、まずは自分がO脚になっていないか確認し、O脚になっていたら治しましょう。
O脚は内転筋の力が弱っていることが原因で、改善することは十分可能です。
調べれば治し方は多く掲載されているので、まずはそこから始めてみましょう。

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膝はクッション

膝は着地の際に、足の裏から伝わってきた力を吸収する重要な役割をしています。
いわゆるクッションの機能を果たすのですが、膝自体はそれほど強い部位ではありません。
上記にもあるように、使い方次第でないかもしれません。すぐに痛めてしまう恐れがあります。
よって膝だけを使うのではなく、着地をして力を吸収したあとは、太ももやお尻を使うことを意識してください。
太ももやお尻は膝周りよりも遥かに大きく強い筋肉です。
そのような部位があるのですから、極力負荷を請け負ってもらうようにしましょう。

膝はバネではない

膝はクッションとしての役割を果たし、衝撃を吸収しますが、バネではありません。
地面を蹴り出す時に、上方向に跳ね上がらないように注意してください。
言わずもがなですが、マラソンで必要なことは跳躍力ではなく前に進むための推進力です。力は全て前に進むことに使いましょう。

初めてフルマラソンを走るにはハーフマラソンはおすすめしない

フルマラソンを走る前の力試し

マラソンを初めて練習を積み、そろそろフルマラソンに挑戦しようと考えている人の中には、
まずはハーフマラソンで力試しをしようと考えている人がいると思いますが、
あまりその力試しはオススメできません。

あくまで心理的な理由によるものですが、
マラソンの大変さを実感して自分にフルマラソンは無理だと感じてしまうことがあるからです。
初めてのマラソン大会の挑戦は、例えハーフであってもかなりハードなものになります。
よくありがちなのが、テンションが高くなりアドレナリンが出過ぎてペース配分で失敗してしまうことがあります。結局最後は歩くことになり、大変な思いをするのです。
これはもちろん極論で、最初の大会からペース配分をしっかりして最後まで走りきる人もたくさんいます。

しかし、マラソンの過酷さを実感するのは間違いありません。「これの倍も走るなんて無理だ~」と思ってしまい、フルマラソンへの参加に二の足を踏んでしまう人もいるのです。
なので、十分に練習を積んで怖いもの知らずで最初からフルマラソンに挑戦することをおすすめします。

もちろんメリットもある

上記の話はあくまで心理的なことで個人差もあるので、全てにあてはまるわけではありません。
大会の雰囲気や流れを掴めたり、本当に力を試せたり、または、調整として出るなど、最初からハーフマラソンに出ることのメリットももちろんあります。

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ハーフに出るなら間隔を空ける

もしも最初にハーフマラソンに出てからフルマラソンに挑戦しようと考えている人は、
大会の間隔をしっかり空けてください。
ハーフマラソンと言えども脚へのダメージは残ります。
結局動けなくなって肝心のフルマラソンに出れなければ元も子もありませんので、
最低でも1ヶ月は空けた方が良いかと思います。

ハーフマラソンはフルマラソンに比べて、大会の頻度は多いです。
特に都内であれば、どこかで毎週のようにやっているので、
もしハーフマラソンに出るのであれば、フルマラソンの大会から逆算して都合の良い大会を選ぶのも良いのではないでしょうか。

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未知の領域サブ3

サブ3とは

フルマラソンで3時間以内にゴールすることをサブ3と言います。これはもう市民マラソンではトップランナーですね。大会にもよりますが、順位でいうと何万人も出ている大会で100位以内に入れるタイムだと思います。
実業団や陸連に入っていない選手でサブ3を達成するのは、学生時代陸上部で長距離を走っていた選手や毎日何時間も練習しているランナーばかりです。

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サブ3で走るためのペース

ペースでいうと、5kmあたり22分くらいでしょうか。1kmに換算すると4分前半になりますのでもうかなりのハイペースです。
マラソンを続ける限り、誰もが憧れる記録ですが、長い期間をかけて毎日のように練習を積まなければ難しいでしょう。

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凄いぞサブ4

サブ4とは

フルマラソンで4時間以内で完走することをサブ4と言います。当然ですが、サブ5に比べるとかなり難易度が高く、マラソンを始めてそれほど長くない人にとっては大きな壁になるのではないでしょうか。

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サブ4で走るためのペース

ペースにすると5kmあたり29分くらいで走れば大丈夫ですが、始めたばかりのランナーにとってはそれなりのハイペースになるでしょう。1kmあたりに換算すると、5分中盤くらいです。また、途中で歩くようでは達成は難しいと思います。
サブ4を達成するためには、日頃から長い距離を走るトレーニングを継続的に行い、尚且つ体調も万全ですなければいけないでしょう。

達成すれば大いに誇れる素晴らしい記録だと思いますので、練習をしっかり積んで記録の達成に挑んでください。

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