マラソン完走・自己ベスト更新への道

マラソンに必要なことは運動神経ではありません!練習や万全の準備さえしっかりしていれば誰でもある程度のタイムは出せます!

大会1週間前~当日朝の食事

食事で体作り

~走るために必要なエネルギーを食事で摂取~
マラソンは長い距離を走ろうとすればするほど体のエネルギーを必要とします。
そしてそのエネルギーは体が勝手に作ってくれるわけではなく、外部から、つまり食事によって摂取するしかないのです。
ただし、食事を摂ればそれが全てマラソンに必要なエネルギーに変換されるわけではありません。
食べ物にはそれぞれ成分があり、エネルギーとして有効に働く成分、エネルギーを効率良く働かせる手助けをする成分、エネルギーにならない成分、…などなど色々あるのです。
マラソンを走る前にエネルギーにならない食べ物ばかりを食べても仕方がありません。
大会などで途中でガス欠になることがないように、大会の1週間前からエネルギーを蓄え、効率良くエネルギーを使える体作りをしましょう。

特にサブ3など高速に走るランナーではなく、走る時間が長くなるランナーほど必要となるエネルギーは増してゆき、食事の効果が結果に現れやすくなります。

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体に必要な栄養素

炭水化物(糖質)

マラソンを走る際にエネルギー源となるものは、肝臓や筋肉に蓄えられるグリコーゲンです。
グリコーゲンは、糖質が分解されることでできたブドウ糖の集合体で、エネルギーとして使用されずに余ったものが筋肉などに蓄積されます。
では糖質は?といいますと、炭水化物から食物繊維を除いたものになります。
簡単に表すと以下の関係性があり、最終的にグリコーゲンを多く得るためには、炭水化物を多く含む必要があることがわかるでしょう。
炭水化物→糖質→ブドウ糖→グリコーゲン
食物繊維以外 分解 集合<炭水化物を含む食品>
白米、パン、麺類、いも、れんこん、にんじん、かぼちゃ、コーンフレークなどがあります。

たんぱく質

マラソンを走ると、長い距離を走れば走るほど体の組織が破壊され、疲労が蓄積されます。
たんぱく質は、そんな破壊された組織の修復を促し、疲労の回復を早めてくれる効果が期待できる栄養素です。
たんぱく質は20種類のアミノ酸により構成されており、筋肉を始めとした体の様々な器官のを構成する最も主要な要素なのです。よって体のある組織が破壊された場合、その組織の成分として最も比重の高いたんぱく質が豊富にあれば、その修復時間が短くなることは自然なことですよね。

まず大会前の練習期間ですが、練習を積んで体中の組織が破壊された状態で大会に出ても良い結果が出るはずがありません。大会当日に疲れがなく、万全の状態で望めるように日頃から意識してたんぱく質を取りましょう。
また、大会当日もたんぱく質が足りないと、長い距離を走っている間、体中の組織が破壊され続ける一方で、体力の維持が難しくなります。走っている間の体力の消耗を軽減できるようにたんぱく質を摂取しておきましょう。蛇足ですがマラソンの次の日が休みであればいいですが、もしも仕事などがある場合はマラソン後はボロボロで大変です。少しでも早くまともな日常に戻れるように努めましょう。

注意点が1点ありまして、たんぱく質を含む食品はアレルギーを発症しやすいものも多いです。体に合わないものは摂取しないように気をつけてください。<たんぱく質を含む食品>
卵、牛肉、魚介類、鶏ささみ、生ハム

スポーツを行う人は、1日体重1kgあたりにたんぱく質を1.2g~2g摂取する必要があります。
65kgの人でいうと78g~130gになりますね。
これは食品だけで摂り続けるのはなかなか難しく、かなりの量の食事になってしまいます。無理せず食事ができるように、プロテインなどのサプリメントを活用しましょう。

たんぱく質は20種類のアミノ酸からできていることを記載しましたが、ここでもう少しアミノ酸について触れておきます。
アミノ酸は必須アミノ酸と非必須アミノ酸から成り、体内で合成されるかどうかの違いがあります。

まず、必須アミノ酸の方ですが、こちらは体内で合成することができないもので、9種類存在します。体内では作られませんが、「必須」という名の通り、毎日必ず食品やサプリメントから摂取しなければいけない栄養素です。
もし、アミノ酸が体内で足りていないと、筋分解といって筋肉を分解してアミノ酸を作り出そうとします。マラソンに限らずですが、運動には筋肉の維持が大切なため、必須アミノ酸はしっかり摂り続けましょう。
9種類の中でも特に、「バリン」、「ロイシン」、「イソロイシン」の3つのアミノ酸をBCAA(分岐鎖アミノ酸)といい、筋肉を構成するアミノ酸の中でも30%~40%占めているのです。よってBCAAは運動に大きな役割を果たす栄養素なので、食品やサプリメントで積極的に摂取するように心がけてください。

マグロ、レバー、プロセスチーズ、豚ロース、鶏むね肉、卵

続いて非必須アミノ酸についてですが、こちらは食事やサプリメントで摂取しなくても、体内で合成される栄養素です。体外から摂取しなくても作り出されはするのですが、非必須アミノ酸もエネルギーの生成に寄与してくれるなど役立つことは多くあります。食品やサプリメントでも摂るようにしましょう。

車エビ、豚ひき肉、マグロ

ビタミンB群

上記で記載した通り、走るためのエネルギー源となる栄養素は糖質が分解されてできるグリコーゲンになります。よって、摂取した糖質をどんどん分解すればそれだけエネルギーが作られます。
ビタミンB群の食品は、そのような糖質の分解を手助けしてくれる栄養素です。もちろん炭水化物を含む食品から糖質を摂取しなければそもそもエネルギーが生成できないので、炭水化物を十分に摂取した上で、効果をより活かせるようにビタミンBをしっかり摂りましょう。
また、ビタミンB群は水溶性のため、体内に蓄えることができません。継続的に摂取するようにしましょう。<ビタミンB群を含む食品>
豚肉、うなぎ、玄米、納豆、たらこ

鉄分

マラソンは数えきれないくらい地面と接触するため、多くの衝撃を受けて血管の赤血球が破壊されます。結果として、貧血になるランナーがいるのです。

赤血球が減ると酸素を体中に送ることができなくなります。しかしながらマラソンは有酸素運動であり、酸素がなければ走るためのエネルギーを生み出すことができません。結果として酸欠に陥ってしまうランナーがいるのです。

破壊された赤血球を修復するためには鉄分が必要となります。マラソン中に倒れてしまうことがないように鉄分を多く摂り、貧血にならないように対策をしましょう。<鉄分を含む食品>
ひじき、パセリ、レバー、貝類、緑黄色野菜
鉄分は吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンCと一緒に摂り、吸収率をアップさせると吸収率を上げられます。
大会前日~当日に緑黄色野菜で摂る場合は、食物繊維を摂りすぎないように注意してください。食物繊維は食べるとガスガス溜まりやすくなり、いつもより腹痛を起こしたりトイレに行く頻度も上がります。マラソン時には摂取を控えたい食品なので、大会直前では緑黄色野菜以外の食品で鉄分を補いましょう。

カーボローディング(グリコーゲンローディング)

マラソンを走るエネルギー源はグリコーゲンであり、グリコーゲンを溜めるために炭水化物を摂る必要があることを上述しましたが、
グリコーゲンを最大限体に貯蔵できるように運動や食事を調節して、高い運動パフォーマンスを発揮する方法として、カーボローディング(グリコーゲンローディング)と呼ばれる方法があります。

昔から行われていた古典的な方法では、1週間前から炭水化物の摂取を控えて一度体のグリコーゲンを枯渇させ、大会直前に一気に高炭水化物の食事に切り替えて効率良くグリコーゲンを溜め込むといった方法でした。炭水化物の摂取を控える期間は運動量は上げて、グリコーゲンを使いきるのです。この方法は確かに効率良くグリコーゲンを溜め込めるというメリットはありますが、疲労が残りやすくなったり体調を崩しやすいなどの欠点がありました。

現在一般的に行われている方法としては、大会前でも炭水化物の摂取制限は行いません。加えて大会の約1週間前から運動量を減らしてグリコーゲンの消費を抑え、3日前から高炭水化物の食事に切り替えるのです。こちらの方が体に掛かる負担が少なく、古典的方法と比べても90%近くのグリコーゲンを蓄積できるために現在推奨されている方法です。

高炭水化物の食事内容としては、1日の総カロリー摂取量のうち、65%~70%を炭水化物で占めるような内容になります。
注意していただきたいのは、あくまで炭水化物の割合を増やすことがカーボローディングであって、食事の量を増やしてはいけません。普段通りの食事の量で、炭水化物のメニューを増やすのです。
大会前に食事の量を増やして太ってしまえば逆効果なので、くれぐれも気をつけてカーボローディングを行いましょう。

ウォーターローディング

マラソン中は多くの汗をかくため、体内の水分が不足しがちです。それにより、パフォーマンスの低下を招き、酷い時には脱水症状に陥ります。
そうならないように、大会の3日前からこまめに水分を取り、体内に水分を蓄えておくウォーターローディングを行いましょう。
大体コップ1杯分を目安に細かく摂取するようにし、1日あたり1リットル~1.5リットルは水を飲むようにしましょう。
汗により排出される水分にはミネラルが多く含まれています。よって、水分の補給にはミネラルウォーターを使用しましょう。
ただし、ミネラル含有量は多過ぎてもミネラルを体内に溜めることができずに排出されてしまいます。また、含有量が少な過ぎても、必要な量を摂取できないために意味がありません。大体硬度が300度くらいのミネラルウォーターを飲むことが推奨されています。
市販のミネラルウォーターで言うと、evian(エビアン)が丁度良い硬度になります。

アミノ酸ローディング

アミノ酸は筋肉の損傷を回復し、疲労回復に寄与する成分ですが、継続摂取することで更に効果を高めることができます。
これをアミノ酸ローディングといいます。
アミノ酸は日常的に摂取することで血中に蓄えておくことができるため、大会の1週間前から継続的に摂取しましょう。
食事からの摂取はもちろんですが、BCAAが配合されたサプリメントなどがおすすめです。
上述しましたが、アミノ酸が足りないと、筋肉を分解してアミノ酸を作り出そうとします。長距離を走るからには筋肉の維持が大切なので、アミノ酸が不足して筋肉が分解されないように注意してください。

大会当日のエネルギー摂取

大会当日の食事は結果を左右させるほど影響が大きいです。今までの練習の成果を十二分に発揮できるよう、考えたメニューを摂りましょう。

朝食

大きなエネルギー補給ができる最後の機会です。炭水化物、たんぱく質、ビタミンB群、鉄分を全て摂りましょう。
とりわけ大事なのは、やはりエネルギーを生み出す炭水化物です。
米、パン、麺類などで、普段食べなれているものを摂るようにしましょう。
食事を摂ってからエネルギーとして働き出すには、消化** 吸収をする必要があります。
時間的には3時間前までには食事を終えておきましょう。

1時間~30分前

完走までに長い時間がかかるランナーは、朝食だけでは途中でエネルギー切れや空腹に見舞われる可能性があります。
この時間帯で胃に負担がかからないバナナやチョコレートなどを食べておくことをおすすめします。
また、アミノ酸などが多くの含まれたサプリメントなどもこの時間に摂取しておくと良いです。単にアミノ酸を摂取できるサプリメントでも良いですが、脂肪を効率良く燃焼させる手助けをしてくれるサプリメントもあるので、この時間帯に摂取しておくのも良いと思います。

スタート直前

この時間帯はさらに胃に負担がかからないものを食べましょう。
スタートの前に最後にエネルギー摂取できる機会なので、完走まで長時間かかることが予想される場合は、お腹が張らない程度のものは摂取しておいた方が良いです。
具体的には固形のブドウ糖や飴が良いです。エネルギー摂取とともに気分転換にもなるので、携帯できるものを何個か所持しておくと良いでしょう。

マラソン中

マラソンは給食地点が何ヵ所もあり、パンやバナナなど、走るために必要なエネルギーを補給できるのですが、走りながらではあまりをものを食べられないという人もいるでしょう。
もしくは食べてお腹が張ってしまう恐れがあるため、給食地点で出されるものは避けたいというランナーもいるかと思います。
そんな時はスタート直前同様に飴やブドウ糖を携帯していつでも食べれるようにしておきましょう。

控えた方がいい食事

マラソンをする上で、エネルギーを摂取するために食べておいた方が良い食品もあれば、大会前~当日は避けた方が良い食品もあります。基本的には食べ慣れているものを食べることが大切ですが、以下のものは注意しましょう。

食物繊維を多く含む食品

野菜や海藻に豊富に含まれており、とても体に良い成分である食物繊維ですが、マラソン直前は避けた方が無難です。
食物繊維は消化が悪く腸内にガスが溜まりやすいため、走っている最中にトイレに行きたくなってしまいます。

食物繊維は、野菜** 果物** 穀物** 海藻** きのこ** 豆類などの植物性食品に多く含まれています。
直前に野菜を摂りたい場合は、トマトやきゅうり等、食物繊維の少ない野菜にしましょう。

脂質を多く含む食品

脂質の多い食品もまた、消化に時間がかかります。体内に脂質が多く残った状態で走ると内臓に負担がかかります。
脂質は揚げ物を始めとし、枝豆、アボガドやもうもろこしなどの野菜にも含まれています。
ただえさえ長い距離を走るので、体への負担を少しでも和らげられるように脂質には気をつけましょう。

生もの

刺身や生牡蠣など、生ものは摂らないように気をつけましょう。食あたりなどを起こしてしまうと走っているどころではありません。
大会直前はしっかり火が通ったものにしましょう。

カフェイン

大会当日はカフェインの摂取を控えましょう。
カフェインは利尿作用を含む成分であり、マラソン中にトイレに行きたくなる恐れがあります。無駄なタイムロスを防ぐためにも、大会当日は飲まない方が無難です。
カフェインはコーヒーや緑茶に含まれています。

食べなれない食品

とにかくマラソン前は食べなれているものを食べるようにすることが大切です。
食べなれていないものを食べて、胃に刺激を与えてしまうと体調不良になってりトイレに行きたくなることがあります。
少しでも安心して大会に望めるようにしましょう。